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2009年02月25日(水)更新

鯖のみそ煮の物語・・その2

4年前の5月・・相模君と亀田師範と
水産会館の会議場でネットを使って品物を売る

その勉強会の席で・・亀田師範は
「商品のこだわりを20枚レポート用紙に次回まで書いて!」と

20枚・・書けるか?今でも思い出します
板長、「自信のある品なら書けるはず!」

次の物語では森田味噌店が出て来ますが・・その時はまだ
あの味噌とは出会っていませんでしたが、

18枚ほどレポート用紙に書いた覚えがあります
必死でしたねー・・今でもあの勉強会は「宝物」



※ 挫折を乗り越えた あるヒント


鯖のみそ造り

すっかり鯖のみそ煮のことなど頭から出て行き、すっかり忘れた気持ちで過ごしていたある日、ふとテレビの料理番組を見ていたら、ある野菜の特集を放送していました。

なにげに見ていたその時、急にひらめいたのです。答えが分かったのです。
『この野菜と鯖を一緒に煮込めば、出来る!』そう確信しました。煮込めば煮込むほど味に深みの出る野菜。
しかもほのかな酸味があり、これが最後の魚の臭みを取り除いてくれる
・・・・頭の中で何かが弾けました。

固定観念・・概念・・頭の中は、そればかりで壁が出来ていました。板長は短い修行しかしていません、修行が長い人ほどこの壁は破れないものです。
この料理は、こうして作る!決まりごとの作業の繰り返し
でも、そこには自分自身のこだわりは無いのです。

通常は鯖のみそ煮で匂いを消すために使うのは、梅干です。
そして梅干を大量に入れれば確かに臭みは消えますが。塩味が濃くなり過ぎてしまいます。
生姜は大量に入れると生姜の匂いが強くなりすぎて、鯖のみそ煮ではなく生姜煮になってしまいます。
しかしこの野菜だったら大丈夫です。梅干、生姜、そしてこの野菜の三位一体が私の求めていた
「鯖のみそ煮を完成させる・・そう確信しました。」

それからまた鯖のみそ煮作りが始まりました。5年間のブランクがありましたが、今度は絶対に出来ると自信を持って鯖のみそ煮に取り組みました。

思った通りでした。この野菜を使って煮込む・・正解だったのです。人工甘味料を使わずに最後の生臭みを取り除いたのです。
この時こそ料理の面白さを実感したことはありませんでした。

しかし・・ここからがまた失敗の連続だったのです。95%は自分の理想としている
鯖のみそ煮は完成したのですが、もうちょっと・・・そうですもうチョットなのです。
それは自分の心の中にだけ収めておいて、鯖のみそ煮をメニューに載せました。
想像通り大好評をいただきました。それはとても嬉しいことでした、しかしどこかで引っかかっていました、
心の何処かになにか納得できないものがあったのです。

市販の梅は、添加物だらけ保存料・・そして外国の梅なのです。塩分も18%だと塩が強すぎます。
6%の塩分表示の物は横文字の添加物保存料だらけ・・ここまで無添加に仕上げたのに・・梅で悩む日々!

添加物は長い時間、煮込むと特有の臭みに変化します、梅だけを食べるにはいいのでしょうが・・煮込みには不向きです。

この時期は梅を使わないで「酢」を使ったり、母の作った梅を使ったり(量が少なく一時的にしか・・)出来る限り
添加物が書かれてない梅を探して使いました・・

だから、味は一定していませんでしたねー!

それが10年前です。


八助梅

※ 八助梅との出会いで鯖の味噌煮がほぼ完成しました・・そして森田味噌で


それから3年後、「八助梅」と出会いました。母が友人からいただいたとその梅を見せてくれたのです。
お恥ずかしい限りですが、地元の南部町で取れるこの「八助梅」を知らなかったのです、
灯台下暗しですねー実が大きくてカパッと割れてしっかりとした硬さのこの梅。
この「八助梅」がキーでした・・ほぼ完成です!

この「ほぼ」完成は去年平成18年のことです、今年平成19年の夏ついに最後のキーを見つけました、
それは味噌です。三戸郡の名川町今の南部町でいつも八助梅を購入するときに通る道沿いにそのお味噌屋さんがあったのです。

八助梅

名川町役場の前に信号があります、停まると目に「森田味噌」の看板が見えていました。
看板には「味噌」「麹」の字が書かれています「変だな?」醤油の文字が無いのです、
普通は味噌と醤油はセットになるはずです、と言うことは「味噌専門店」なのかな?
よし買って鯖の味噌煮に一度使ってみよう!そう思い店内に入りました。

森田味噌店

古い看板で昔の風情が残る店構えですが、中は綺麗に掃除がされていて
可愛い置物が並んで入った人を和ませるような雰囲気です、
奥から女将さんが出てきて優しく対応してくれました。

森田味噌店
(この味噌は、1年と2ヶ月物まだ未完成・・本物は3年!)

「私達で3代目、森田の味噌と麹を昔ながらの製法で作り続けています、この家の菌で出来る麹で仕上げる味噌を頑固に守っています。大豆は地元の農家と契約栽培、水は地下水を使っています。」

醤油のことを聞くと「内は味噌の専門店ですから、醤油は味噌を作るときに出る溜まり醤油が僅かに取れるだけなのです。」

また近くにいてこんなに「こだわって」味噌を作っている人がいたことを・・
早速購入して鯖の味噌煮を製作です。今年の秋に「ほぼ」が取れて鯖の味噌煮が完成しました。

現在私はその味をもっともっと美味しくしようと日々格闘しています。八戸の鯖、あの野菜、八助梅、森田味噌、そして砂糖との勝負を続けています。


今私が作る鯖の味噌煮は、現在私が心の底から納得して自信を持ってお勧めできるものです。
絶対どこの鯖の味噌煮にも負けない鯖の味噌煮です。

そうです『魚嫌いのお子さんも、美味しい!!と骨ごと食べられることができる鯖の味噌煮』なのです。

手間のかかるのは・・・?



※ どうして谷口板長の鯖の味噌煮ができるまでに、3日間もかかるのだろうか?


≫≫明日に続く!



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